CASE 13 / 契約と合意
要件が出てこないのに、公開日だけが決まっている
相手の業界の常識は、こちらの見積もりの常識と違います。その翻訳もPMの仕事。ただし、翻訳できないものは契約書に書く。
状況
あなたは、制作会社を経由したシステム開発の案件を担当しています。
要件整理の完了予定日を過ぎても、出てくるのは全体の一部だけ。一方で、公開日は「動かせない」と言われています。そして契約の締結だけが、先に進もうとしています。
話していて分かってきたのは、相手の前提がこちらと違うということ。作業を「ページ単位」で捉えていて、多少の追加は吸収してもらえるもの、という感覚があるようです。悪意ではなく、その業界の常識なのです。
あなたなら、どうする?
契約を、どう締結しますか。 — 選ぶと、その選択の「ありがちな帰結」が開きます。正解当てではありません。全部読み比べてください。
— 残り 3 件の帰結が未読です —
実際の顛末
契約書に変更管理の条項を明記したうえで締結。要件遅延が常態化する相手であることを踏まえ、定例で都度リスクを言語化する運用も併走させました。
相手の「業界文化」を見抜き、専門職側の見積もりの考え方を翻訳して伝えるのも、PMの仕事です。ただし——翻訳しきれないものは、契約書に書く。
このケースの教訓
- 要件が固まらないままの契約は、変更管理の条項を書面化して初めて成立する。
- 相手の業界の常識は、こちらの常識と違う。その差を見抜いて翻訳するのもPMの仕事。
- 契約は保険であって、運用の代わりにはならない。
持ち帰りチェックリスト
- 契約書に、変更管理(追加費用・納期延長)の条項があるか
- クライアントの「業界文化」からくるリスクを、事前に洗い出したか
- 要件の遅延が発生した場合の進め方を、決めてあるか
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こうした事故は、担当者の能力ではなく「孤立」から起きます。
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